バンコクとチェンマイ住むならどっち?2都市生活して見えた違い

バンコク在住歴も4年目に突入し、自分の行動範囲内や出会いでの刺激も薄れるばかり。

「このルーティーン生活をなんとかしたい」

バンコクでの生活変化も考えましたが、現状に甘んじてしまうことは目に見えている。

ということで、現在はリモートで仕事をしていることもあり、トライアルでチェンマイ生活を始めてみました。

チェンマイ移住を考えたきっかけ

まず私は「チェンマイ」を旅先としてみる場合、まったく魅力を感じない人間です。

バックパッカー時代を含めて3度チェンマイには来ていましたが、2回目以降はパーイやメーホーソン方面への経由地として滞在しただけで、1泊もしないこともありました。

なので僕がチェンマイに抱いていたイメージは「退屈しそう」な街で、移住など考えたこともありませんでした。

ただどこか別の場所で暮らすことを考えた時、ふと思いました。

バンコクの週末のような刺激がないことは明白ですが、
「会社に行く必要はないけど、仕事はしないといけない」状況だと、チェンマイの方が費用面と良い仕事環境が作れて生活しやすいのでは?と。

多くのチェンマイラバーの性格や、ノマドから支持されている都市ということを考えると、日常生活は楽しいのではないかと考えたわけです。

バンコクとチェンマイどっちが良いか

もちろんこれはその人にとっての必要な条件・重要度が左右するするものです。

またバンコクとチェンマイのどこに住むかによっても違いますが、どちらも中心街にアクセスが良くて、比較的外国人が多いエリアで比べます。

また物価についてはチェンマイの方が安いのは分かりきっていることなので、別の切り口から物価というか支出面について語りたいと思います。

チェンマイで最初に感じた良い点

ホテルに着いて周辺を歩いてまず感じたのは、「静かで穏やか」なこと。

これはバンコクの外れにいって感じるものとは違いますし、他のタイの田舎、例えばイサーン地方に行っても感じなかった感覚です。

チェンマイ生活を送りながらその理由を認識していったのですが、主に以下の理由だと思います。

車・バイクの運転

バンコク~パタヤ当たりの運転に比べればもちろん、他の田舎よりも運転が荒くありません。

最初は中心街のお堀り周りが「一方通行+右左折レーン」という明確な区切りになっていて、スピードが出せないのが要因かと思いましたが、これは穏やかなチェンマイ人の性格によるところだと思います。

またバンコクに比べると圧倒的に交通量が少ないのも、もちろん要因です。

気温と風通り

ご存知の通りチェンマイは夕方~午前中ぐらいまで、バンコクなどと比べると気温が低いです。

またバンコクのようにコンクリートが熱を保持しないため、暑い時間でも日陰に入ると体感温度が低いです。

建物の数も少なく、空き地のような場所も多いため風通りも良いです。

自然

ここでいう自然は、街中にあるちょっとした自然要素です。

木々が多いですし、必然的にそこに鳥などの動物が集まり鳴き声が聞こえてきます。

写真はチェンマイの中心地から2~3キロ離れたアパートがある通りですが、ちょっとした所にこの規模の自然があったりします。

音楽と声

チェンマイのローカル飲食店は、基本音楽がかかっていません。

もちろんカフェやレストランで、BGM的な音楽がかっていることはあっても、バンコクでイサーン音楽を大音量で流しているようなスタンスがありません。

また店員も穏やかで声を張っている人も少ないです。

 

という複合的な要素により、街中に居ながらも、牧歌的な自然感と心地良さがチェンマイにはあります。

利便性

よく「バンコクの方が利便性は圧倒的」という記事や発言を見かけますが、個人的にはこの利便性がなにを指しているのかわかりません。

バンコクにはBTS/MRTなどの電車があり、物も溢れています。

ただチェンマイ市に電車があっても、多くの人にとってそれほど大きなメリットにはならない気がします。

バンコクに比べると街の規模も小さいですし、近場の移動に関してはバイクに乗るか、バイタクを使えば済みます。

バイクに乗るハードルもチェンマイの交通量と交通マナーを考えると、バンコクよりかなり低い。

物についても、大体のものはネットとリアル店舗の併用で補えます。

ということで、利便性というよりバンコクの優位性をベースに考えてみたいと思います。

バンコクにあって、チェンマイにないもの

  1. BTS/MRT(チェンマイの街規模だと影響小さい)
  2. フジスーパー
  3. 本格的な海外の料理(ゼロではない)
  4. 本格的な日本料理
  5. 日本人美容室
  6. 美容に特化したクリニック(ゼロではない)
  7. ゴーゴーバー(2023年3月時点)
  8. 可愛い商売系の女性(ゼロではない)
  9. 日本人学校
  10. 日本人向けスナック

ざっと思いつくものを書くとこんな感じで、利便性を揺るがすようなものはなく、日本らしいサービスと風俗などを追い求めなければ不便はないと思います。

もちろんどのジャンルにおいてもバンコクの方が層が厚いので、自分がこだわるものに関しては、チェンマイ生活で多少のストレスを感じることがあるかもしれません。

チェンマイ生活で変わったこと

欲望が減った

バンコクってやっぱり欲望が渦巻く世界なんですよね。人であり視界に入ってくる光景であり、欲望を煽られます。

その点チェンマイは穏やかですし、周囲から欲望を感じるレベルも小さくなります。

こんな中庭に滝まであるカフェで仕事をしていると、いろんなことがどうでもよくなります。

支出が減った

今回はトライアルということで家賃面での支出減はなく、バンコクからチェンマイに移動したことで飲み友達を失った分を差し引いても、体感的に支出が減ったことを感じました。

これはチェンマイの物価が安いこと以上に、例えば本格的な日本料理屋がないことやコスパの悪いオシャレレストランがないことが要因として挙げられます。

仕事をするカフェの価格が半額になった

これはリモートワーカー特有のことですが、毎日2件ほどカフェに寄るので固定費が低くなりました。

またチェンマイのカフェは広くて、リモートワーカーを意識したカフェが沢山あるので、ローカルプライスのカフェで作業ができます。

バンコクだと「Coffee Club」や「Stur Bucks」など、150バーツほどのカフェを利用していましたが、これが半額になったので150バーツ×21日=3150バーツほど、コストが下がりました。

本格的な日本料理はないけど日本料理的なお店が多い

豚肉うどん 60バーツ
アジのたたき定食 120バーツ

バンコクだと250バーツ~から、日本人オーナーの日本料理屋、ラーメン屋などがたくさんありますが、チェンマイにはこれがない。

ただ日本風の日本料理屋のクオリティはバンコクより高く、価格は安いので、なんとなくそれで満足できます。

寿司などを食べなければ、60バーツ~150バーツぐらいの価格帯になります。

この層のお店の充実により、わざわざ高い店に行くのが面倒になり、結果支出が減りました。

Grab・Foodpandaなどデリバリーも安いお店が多い

バンコクでフードデリバリ―のサービスを使うと、比較的高価格帯のタイ料理や海外の料理が多いと思います。

まずタイ料理でいうと、チェンマイはリアルなローカル価格のお店率が高い。また高価格帯の海外のお店も少ないので、自然と食事にかけるコストが下がります。

 

ということで、物価の比率以上に飲食にかけるお金がかなり安くなりました。

年間でコストだけを考えると、想像した以上にチェンマイ生活は安く済みそうです。

マイナスポイント

バンコクと比べると選択肢が少ない

食事で例を上げましたが、こだわりやクオリティの高い食事や物はあまり選択肢がありません。

夜の閉店時間が早い

チェンマイ居酒屋やバーなどの閉店時間は基本24時です。

2時までやっているお店が多いバンコクに慣れていると最初は戸惑うかもしれません。

ただ2時までやっているお店、クラブなどはもっと遅くまでやっている店もあるので選択肢はゼロではないこと。

またチェンマイの諸々の営業時間は、朝が早く夜も早いので、そのサイクルで生活するようになります。なので飲み始めが早くなるので、結果マイナスにならないと思います。

音楽のイベントが少ない

このジャンルは街の規模感以上に少ない気がします。

ローカルがバンド演奏をしている飲み屋はそれなりにありますが、バンコクでいうところの「LIDO CONNECT」や「SPEAKER BOX」などのライブハウス的な場所はありません。

そもそもチェンマイのバンドでそれなりに有名なのは「YONLAPA」ぐらいなので、音楽シーンはあまり盛んではないようです。

クラブ系もEDMなら「Zoe in Yellow」「Insanity」、タイローカル向けのクラブ、ファラン向けのBAR&CLUBのようなお店はありますが、日本でも人口が少ない県並みしかまともな音楽聴ける場所はないです。

人との出会いのきっかけが少ない

チェンマイの日本人居住者は5~6,000人と言われています。その内半分近くがリタイヤ組で、そこから子供を除いた数となると、その他の年齢層はかなり層が薄いです。

チェンマイの街が小さいとはいえ、それなりに居住地域は散っています。またチェンマイ在住者は現地採用で企業に勤めている人も少ないでしょうから、現地採用の知り合いネットワーク的なものも発生しません。

日本式のバーやスナックのような飲み屋もほとんどないので、出会いのきっかけは少ないです。

年齢層が高い

これは移住者の年齢が高ければプラスに働くかもしれませんが、飲食店やカフェで見かける日本人の多くは、55歳以上といった印象です。

チェンマイにはイサーンがない

唐突ですが、バンコクとチェンマイを比較する上で分かり易い言葉だと思い、ひとつ挟ませてもらいます。

チェンマイに来て「静かで穏やか」な理由を考えた時、「バンコクはイサーンでできている」と改めてはっとしました。

飲食店でタイ音楽を掛けている店、でかい声、どこからとこなく聴こえてくるモーラム(イサーン音楽)。

夜のお店、居酒屋の店員、セブンの店員。

バンコクで生活をしていて接点があるタイ人は、圧倒的にイサーン人であることが多い。

会社で会う人以外の人って、ほぼイサーン人じゃないかと思ってしまいます。

チェンマイではこれが穏やかなチェンマイ人に変わる。このインパクトは大きいです。

こんな人に薦めたい

チェンマイ

・朝が早い(バンコクに比べればですが)

・節約したい人

・リモートワーカー

・穏やかな生活をしたい人

バンコク

・本格的な日本料理がマスト

・日本の都市並みの食事や物の選択肢が必要

・充実した音楽イベント

・女性とのナイトライフ

・イサーン文化(刺激)

 

私としては平日チェンマイ、週末バンコクが理想ではあります。

もしくは行きたいイベントがある時だけバンコク。

ただ気になるのはコスト面と体力。

月に1回バンコクで週末を遊び倒したとして、費用面では航空券とホテル代。体力面でもそれなりに削られることになります。

またそれなりの頻度で会う人は、音楽、酒、ナイトライフで繋がっているので、2拠点生活すると人間関係は希薄になっていき、バンコクで爆発的遊ぶ際の人材が不足するかもしれません。

チェンマイ生活の充実を優先的に考えたとしても、人の少なさ、人間関係や遊びに行く場所の数やクオリティ的にもあまり広がらないかなというところです。

ただチェンマイ生活はトライアル1ヵ月のみなので、もう一度トライして再度考察してみたいと思います。