THE PARADISE BANGKOK MOLAM INTERNATIONAL BANDがFUJI ROCK2019出演決定

映像制作集団・空族の富田克也監督の映画「バンコクナイツ」、soi48の「旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド TRIP TO ISAN」でも注目を浴び、じわじわと人気を高めるタイ東北部のイサーン音楽

まだまだ市民権を得ない、一部のファンだけに愛されている音楽だと思っていましたが、イサーン音楽(モーラム)をクラブカルチャーと融合させたバンド、THE PARADISE BANGKOK MOLAM INTERNATIONAL BAND(ザ・パラダイスバンコク・モーラムインターナショナル・バンド)のFUJI ROCK FESTIVAL 2019への出演が決定しました。

また富山県で開催される「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」というフェスにも出演が決まっています。http://sukiyakifes.jp/

ここバンコクに置いても、クラブ好きな方以外には有名ではないバンドだと思いますので、簡単にバンドの紹介をしていきます。

モーラムのオリジナルは?

モーラム(タイ語: หมอลำ)は、ラオスやイーサーン(タイ東北部)などにおける ラーオ族(タイ・ユワン族(タイ語版)を除く)の伝統音楽である。モーラムとはイーサーン語あるいはタイ語であり、ラオスではラムラーオ(ລຳລາວ)という。モーラム文化の中心地はラオスよりもむしろタイにあるため、ルークトゥン(ลูกทุ่ง タイの演歌的な歌謡曲)に含ませてしまうこともあるが基本的に別系統である。

本来は独特のリズムとケーン(笛の一種)による主旋律、裏返って途切れそうなボーカルを特徴とし、その内容は生活の貧窮や行政批判など社会・政治的なものから恋愛や人情まで多岐にわたる。

発祥はラオス。そこから現在のイサーン地方へ広がり、経済や文化的な面からモーラム=イサーン音楽となったのでしょう。ルークトゥンも同じような感じだと思います。

日本でいうと沖縄民謡がイメージに近いでしょうか。
(タイのOKI DUB AINU BANDとも称されています)

イサーンとは

タイ東北地方。かなり広域な地域なので、ラオスとカンボジアの国境に面しています。

経済的にはあまり恵まれておらず、バンコクにもかなり出稼ぎのイサーン出身者がいます。

特にタクシードライバー、飲食店、風俗嬢など、非ホワイト系の仕事に就いている人にその割合が高いです。

イサーン料理

日本の方にはソムタム(パパイヤサラダ)、ラープ(ミンチとハーブの和え物)が一番イメージしやすいと思います。バンコクにおいてもイサーン料理の存在は大きく、タイで生活しているとなにかしらのイサーン料理を口にする日は多いです。

イサーン音楽

主にルークトゥンをベースにした歌謡曲がタイで多くのヒットを生んでいます。

またタイディスコとも呼ばれている音楽はモーラムの進化系?で、夜な夜な大音量でウイスキーを飲むタイ人を見かけます。

THE PARADISE BANGKOK MOLAM INTERNATIONAL BAND

デーモン・アルバーン(ブラー)やフォー・テット、ジャイルス・ピーターソンも称賛しているように、ヨーロッパで評価を得て、アジア地域にその人気が広がっているようです。

バンコクでライブが聴ける場所「Studio Lam」

これまでのライブはいくつかの会場でやっているようですが、彼らのホームとなる場所はSukhumvit Soi 51にある「Studio Lam(スタジオラム)」になります。

「Studio Lam」は、このバンドの発起人であるMaft Sai(マフトサイ)が経営するバークラブで、毎日ゲストDJやバンドを呼んでイベントを開催しています。

https://www.facebook.com/studiolambangkok/

THE PARADISE BANGKOK MOLAM INTERNATIONAL BANDのライブは年に数回しか行われていませんが、水曜日に別のモーラムバンドのイベントが頻繁に開催されていますので、モーラム+クラブサウンドが気になる方は行ってみてください。

また、日本のクラブシーンの重鎮たちとのコネクションも強く、2018年秋から2019年春にかけてMURO、沖野修也、DJ KENSEI、DJ HASEBE、クボタタケシをゲストにした「SETSUZOKU」というイベントを5回開催しています。

https://clubberia.com/ja/news/10667-SETSUZOKU-2018-In-Thailand-MURO/

ちなみにマフトサイが経営するレコードショップ「zudrangmarecords」もお店の近くにあります。ここではモーラムのレコードも販売されていますので、こちらは昼の時間帯に寄ってみてください。