「海外駐在できたかも」日本の会社での立ち振る舞い

僕はタイで現地採用として勤務していましたが、日本に居た会社で海外駐在するチャンスがありました。

しかしタイにこだわっていたので、そのチャンスをものにすることをありませんでしたし、駐在の話が具体的に進んだのは会社を辞める意思を伝えてからでした。

後悔はしていませんが「駐在員として海外で働いてみたい人」のために、ああすれば海外駐在できていたなということをお話ししたいと思います。

僕の職歴や職種

職歴からいうと、派遣や契約社員などの非正規雇用を繰り返していた、職歴としては下層の人間です。

20代は喰っていければいいやぐらいで仕事をしていました。30代になって人並みの生活を目指し、30代後半は中間管理職的なポジションで勤務していました。

職種はIT・WEB業界のディレクターやマネジメントです。また勤めていた会社がベトナム、フィリピン、インドネシアに制作拠点を持っていて、タイにはコールセンターも持っていました。

キャラ付けは重要

僕は元々バックパッカーをやっていたこともあり、入社当初からなんとなく海外のイメージがあるキャラとして認識されていました。

またGWや年末に長期の休みが欲しかったこともあり、隙あらば2週間の休みを打診していました。お客さんとのこともあるのでかなり渋られていましたが、トラブル案件を多く担当していたこともあり、案件のピークが終わったタイミングで長期休暇を打診し、承認をもらいました。

お客さんにも僕の海外キャラは浸透していましたし、お客さん的にもトラブル案件を担当してもらったということで、すんなりと話が通ります。

それ以降は2週間程度の休みを渋られることはなくなり、周囲も僕の海外渡航を愉しみにするようになります。

同じ現場の人から海外キャラを完全に認知してもらい、少しずつですが、会社の他の人にも伝わるようになります。

具体的には上司がその話をネタにすることで他部署に広まり、自分が管理職になることで権限を持った人との接点が増えていったことが大きな要因です。

話のネタに困った際に、部下の話映えするネタは口にしやすいんです。

海外部署との接点

会社規模がそこそこ大きい会社だったので、いち現場で働いていても海外の関連部署との接点はありませんでした。

駐在するには超優秀である必要はなく、英語が多少なりともできることと、駐在している人との接点を持っているか、または過去に持っていたかが重要でした。

駐在メンバーが適任でなく日本に戻ってきたり、会社を辞めてポストが空いた場合、声が掛かるのは関係者です。そこと接点がない限り、基本的に声はかかりません。

こことどう接点を持つかが重要で、定期的に駐在を希望していることと能力を伝えていないと忘れられてしまいます。

僕の場合は、業務上海外の拠点を使うことがあり自然にその接点ができ、少しは名前が通るようになります。

人は他人のために面倒なことはしない

自分としてはある程度駐在したい人として認知され、英語が多少話せてマネジメントもできるし、海外拠点を積極的に使用しているので改善点も理解している。

そういった状況だったので、ポジションが空けば自分に声が掛かると思っていました。

しかし現実として空きポジションができたところで、自分にはその情報すら落ちてきませんでした。

理由としては、駐在の人員を決める権限を持っていた人と接点を持っていなかったこと。その権限者の周囲に自分を知っていた人はいましたが、権限者の近くに適任の人が居れば僕は候補にかかりません。

例え候補者として名前がピックされたとしても、権限者が自分のことを知らなければ、その人に僕のことをイチから知ってもらう必要があります。

また僕を推薦してくれる人は、精神的にその責任を背負うことになります。きっと同じ理由で、上司も他部署に僕の希望を情報としても渡してくれていませんでした。

上司は1年に1回は変わっていましたし、薄い繋がりでは人は動いてくれない。僕の要望を伝えるのは上司の仕事なのですが、対外的なタイプの人でなければ面倒なことはしません。

ここで僕がしなくてはいけなかったのは、権限者と接点を持っておくこと。これを自分きっかけで、関係者に打診する必要がありました。

ポジティブな理由での紹介ぐらいなら、関係者の負荷になりません。つまり自分の紹介は自分である程度しておく必要があったということ。

もう1点は上司の仕事を管理する必要があったということ。僕がお願いしたタスクが完了しているかを、具体的に完了するまで追いかけることが必要でした。

動かない上司も何度も言われれば、なにか一つぐらいはやってくれます。その主張を聞かなければ、自分が更に上の人に言いかねないですからね。

退職を告げてから、1年以内の駐在が約束される

結局その会社を辞め、現地採用でタイでの就職を決めます。そして退職の話をすると、1週間後にこんな話が来ます。

「1年後までに、ベトナムで駐在ができるよう話をつけたから、どうする?」

上司にドヤ顔で言われ、僕はドン引きします。どうやら僕のために色々動いてくれたということらしいんです。

その数分の一でも早く動いていてくれていれば辞めることはなかったんだけど。

タイなら少しは悩んだかもしれませんが、こんな会社でベトナム駐在しても結局タイを目指すことになるので、僕は滞りなく退職しました。

所謂日本的な、問題が発生して初めて対応されるということを身を持って体験して思ったのが、退職を理由に交渉していたら良かったなと思いました。

アプローチとしては、退職を考えている理由と会社でやりたいことが駐在であることを伝え、「会社には残りたいけど、その道がないなら他の会社に行くしかなく、候補の会社がいくつかあることを相談ベースで伝える」のが効果的かなと思います。

これは自分がある程度会社でパフォーマンスを発揮している前提です。評価の高い部下が辞めると退職することの失点、その補填で対応することがたくさん出きます。また要望を無視できる人は多いですが、相談を無下にできる上司は少ないです。

やっていることは同じなので、理論的な人には効果が薄いですが、人って感情的なんです。特に日本人は感情的で情緒があるものに対しての反応が大きい。つまりその人が自分自身を動かす理由を、こちらが作ってあげることが必要ということです。

自己啓発と同じ原理。何かをやるためには理由が必要なので、それをこちらが用意する。

加えて、海外キャラの自分を駐在を理由にそれまでの職務から外すことは、クライアントにも説明しやすいので、上司のハードルは下がります。

あくまで評価がある人がやらないと逆効果になりかねないので、評価が付いていない方にはオススメしません。

海外駐在するための方法

能力+英語力がある人と評価される

これは大前提です。

駐在の人事権を持っている人と関係者との接点を持つ

権限者は頻繁に変わるので、複数の人と接点を深めておいた方が良いでしょう。

アピールは定期的に行い、話が伝わっているか確認

自分としてウザいかなと思うぐらいが、ちょうど良いと思います。あくまでポジティブに。

相談ベースで転職やモチベーションの話をする

情緒をくすぐり、頼られている感を出す。

方法論として目新しさはありませんが、こういうことがキッチリできる人ってほぼいません。
特に会社や上司に不満を持っていると、尚更こういうのって馬鹿らしくなると思います。
ただ最終的に自分の要望を通す、自分のための手段ということを念頭において、定期的に思い出していくと行動が変わっていくと思います。