カオマンガイの生みの親である海南チキンライスのシンガポール版である、シンガポールチキンライスの名店「ブーン トン キアット(BOON TONG KIAT)」。
日本人も多く住むトンローにあるということで、既にご存じの方も多いお店だと思います。
海南チキンライスとカオマンガイの違い
この店を紹介する上の基礎知識として、海南チキンライスがあります。
海南チキンライスは中国の海南島で誕生し、その後華僑によってシンガポールを始め、東南アジア圏に広がっていきます。
よってシンガポールチキンライスは、海南チキンライス直系で、カオマンガイはシンガポールチキンライスのタイアレンジといっていいと思います。
具体的には、カオマンガイはお米の味付けがかなり薄く、鶏肉の味付けもカオマンガイの方があっさりしています。
その代わりカオマンガイはチム(タレ)の味が濃い。鶏肉もボリュームがある大味で、脂が効いたものが多いです。
海南チキンライスがトータルでバランスを取っているとすれば、カオマンガイはご飯をベースにおかずとしての鶏肉を、タレで楽しむタイらしいスタイルです。
また海南チキンライスはタレが数種類あり、好みで味が変えられます。個人的には中華に近い海南チキンライスの方が料理としての完成度は高いと思います。
ただローカルにとっては重要なポイントとして、カオマンガイの方が安いです。外国人にとっては小さな差額20バーツほどですが、ロークラスのタイ人にとっては無視できない価格差です。
ブーン トン キアット(BOON TONG KIAT)
トンローのメイン通りという大都会ながら、庶民的な佇まいを保つお店は、今となっては貴重な存在です。
周囲にはクラブやバーなど、外国人やお金持ちをターゲットにしたお店がどんどん増えて行っていますが、こういったお店は残っていって欲しいものです。
ユニーフォームは紫色で統一されています。ピンクのカオマンガイならぬ、パープルの海南チキンライス。古いお店ながらも清潔感があって、店員さんもてきぱき動いています。
中華系のお店は、店員の動きがタイのお店と比べるとかなり良いですね。
シンガポールチキンライス
卓上にはカオマンガイに見られるチム(タレ)以外に、ショウガ、スイートチリソース、別容器で甘いソースが並びます。
チムもカオマンガイ屋のものより味が調えられていて、塩辛くありません。
鴨肉も美味しいと聞いていたので、ミックスを注文。90バーツ(320円)。
鶏肉にはチム+ショウガ。鴨肉には甘いタレ(写真左上)が付いてきたので、そちらで頂きました。
味の方は安定の旨さです。このお値段の料理としては、これ以上を望むのもない気がします。
カオマンガイはシンプルな分、味の上積みを考えますが、シンガポールチキンライスは料理として完成されている感じですね。
近所にあったら、とりあえずあのお店に行こうかというお店です。
概要と場所
最寄はBTSトンロー駅ですが、お店はソイの奥の方にありますので、ソイ55(ソイトンロー)の入口付近でバイタク(20バーツ)を拾っていくのが良いと思います。
■店名:ブーントンキアット(BOON TONG KIAT)
■営業時間:10:00~22:00
■定休日:なし