夜の街バンコクにはクラブがたくさんありますが、メディアやノマド系の人がオススメするクラブはEDM系をメインとしたパーティ系の大箱ばかりです。
知名度が高い有名なクラブかナンパ箱ばかりなので、音楽にこだわって踊ってきた身としては一辺倒なセレクトにかなり違和感があります。
ということで、ここで紹介するクラブは、音楽にこだわったテクノ・ハウス・ベースミュージックのクラブです。
※コロナの影響でクローズ、移転していますので事前にfacebookページなどチェックください。
バンコクのクラブ音楽の状況
まずはバンコクにおけるクラブ音楽の状況ですが、比較的に日本と近い状態にあると思います。
主力はEDM。タイ人の若者でクラブで行く人のほとんどはEDM系のクラブ、もしくはヒップホップとEDMが混じったようなクラブに行くことが多いです。
日本におけるEDM系、ナンパ箱、六本木にあるようなインターナショナル系のクラブが大半を占めます。
日本と違う点としては、タイ人の中でテクノやハウスなどの音楽を聴く人自体が少ないことです。これはクラブカルチャーが全盛だった時代、バンコクの経済は発展途中にあり、そもそもタイにクラブミュージックが根付いた歴史自体がないからだと思います。
今の若いタイ人達にはクラブカルチャーはありますが、EDMとヒップホップがメインになり、テクノ・ハウスなどを聴く人はコアな海外の音楽カルチャーに興味がある人のみになります。
そのため、テクノやハウスなどのクラブシーンの中心は中年層の欧米人が作っていて、タイ人がメインの客層であるテクノ・ハウスのクラブはありませんし、タイ人DJがレジデントを務めるイベントもほどんどありません。
SAFE ROOM(セーフルーム)※クローズ
2020年2月現在、テクノ・ハウスシーンで一番新しい音楽をかけるクラブは、SAFE ROOM(セーフルーム)だと思います。
知名度はあまりないけど、若くてタレントがあるDJを呼ぶのはこのクラブで、そのせいか比較的タイ人やアジア近隣の若い人たちの客層が多いクラブでもあります。
また、SOUNDISTANというイベントでは日本人DJをレジデントに迎えるイベントもあり、2019年は日本からForce of natureのKENT、他海外在住の日本人DJも多数来タイしています。
https://www.facebook.com/saferoombkk/
STUDIO LAM(スタジオ ラム)
テクノ・ハウスというとちょっとずれてしまいますが、バンコクのクラブの中で音楽のコア層が一番楽しめるクラブはSTUDIO LAM(スタジオラム)です。
ダンス系だとディスコが多く、次いでレゲエ・ダブ、タイ音楽をダンスミュージックにしたもの、ワールドミュージックなど。
クラブというよりバー/クラブの規模感で、イベントごとにジャンルレスな音楽をプレイしています。
昨年はSETSUZOKU(セツゾク)というイベントを数回に渡って開催し、日本からMURO、沖野修也、DJ HASEBE、クボタタケシなどが来タイしました。
オーナーはマフトサイ。タイのモーラムという音楽をダンスミュージックに昇華した「The Paradise Bangkok Molam International Band(パラダイス バンコク モーラム インターナショナル バンド」のDJでもあります。
また薬草をタイのリキュールで漬け込んだ「ヤードン」ベースのカクテルの飲めますよ。
https://www.facebook.com/studiolambangkok/
MUSTACHE(マスターシュ)※移転先で営業中
オーソドックスな正統派テクノやテックハウスが聴けるクラブ。欧米人の人気が特に強く、確実に踊れるアッパーな曲がプレイされています。
最近はクルーズパーティやウエアハウスパーティなども開催し、バンコクで経営的に成功している数少ないクラブです。
https://www.facebook.com/themustache.bangkok/
DE COMMUNE(デ コミューン)※移転先で営業中
アンダーグラウンド臭が漂う半廃墟ビルの中にひっそりとあるクラブ。ベースミュージックを得意としていて、ドラムンベースのイベント率はこのクラブが一番高いです。
テクノハウス系のイベントは少な目ですが、ちょくちょく有名なDJをブッキングしたり、一癖あるイベントを開催しているクラブです。
写真はバンコクを代表するレゲエバンド「SRIRAJHA ROCKERS(シラチャロッカーズ)」。同日のイベントでLittele Tempo(リトルテンポ)も演奏しました。
https://www.facebook.com/decommunebkk/
GLOW(グロウ)※クローズ中
長らくバンコクのテクノ・ハウス・トランスシーンを引っ張ってきたクラブ。Mustache(マスターシュ)同様、欧米人に人気のクラブです。
最近は少し勢いを失いつつありますが、堅実にアベレージが出るイベントが多いように思います。
https://www.facebook.com/GlowBkk/
(番外編)BEAM
2018年まで、バンコクでテクノといえばここでした。
年に1度はBEAM FESと称して1週間以上に渡り開催し、デリックメイなどのビックネームから、HVOBなどトレンド抑えたDJなど、海外の一流ミュージシャンを招いていました。
2019年リニューアルし、それ以降はヒップホップよりのジャンルに傾倒しつつあります。最近はイベントの数自体が少なくなってきていますが、不意にPeggy Gou(ペギー・グー)を呼んでイベントを開催したりするので侮れません。このクラブが復活すればバンコクのテクノ・ハウスシーンも復権してくるはずです。