YONLAPA KIKI タイ

YONLAPA&KIKI来日 タイでの評価とインディーズシーン

YONLAPA KIKI タイ

タイ人バンド「YONLAPA(ヨンラパ)、KIKI(キキ)」が来日ということで、タイ在住者として両バンドの現地での立ち位置や音楽シーンについてレポりたいと思います。

タイの音楽シーン

日本と比べると地方差が大きく、ことさらバンコクは規模がずば抜けているので主にバンコクを主軸に話すと、ジャンルの分布としては日本と大きく変わらないと思います。

メジャーシーンとしてポピュラーミュージックがあり、若者を主体としてインディーよりのシーンがあります。

ただダンスミュージックは基本バンコクに限られていて、EDMがメインで次点はヒップホップ。

テクノやハウスなどのクラブは、移住してきた欧米人オーナーのお店が多く、メインの客層も外国人になります。

そしてもうひとつ大きな違いは、ルークトゥン/モーラムというタイ東北部発祥の音楽があります。楽団のような一座がたくさんあり、エンターテイメント性のあるライブショーを展開したりします。

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モーラム ライブ タイ

タイの音楽は階級と出自によって分かれる

貧富の差が大きなタイは、日本のように階級関係なく人間関係があまり入り混じりません。
(これは日本が特殊で各国それなりに隔てがあると思います)

今回紹介する「YONLAPA(ヨンラパ)、KIKI(キキ)」のような音楽が何処に属するかというと、ミドルハイからハイローあたりになると思います。

タイにはライブハウスがほぼない

タイには飲み屋で演奏する文化があり、日本でいうライブハウス形式の箱はぼぼありません。

あまり良い写真がないですが、こういった飲み屋の奥でバンドが演奏しています。

これが基本的なバンド音楽との接し方で、インディーシーンの有名バンドがライブをやればステージの周りに人は集まり、そこだけスタンディングで周囲は着席でお酒を飲めます。

バンコクで2番目にライブハウスらしさを持つ「Speaker Box」でこんな感じです。

ということで、モッシュやダイブなどは外国人のアーティストがきて、ある程度外国人がいないと起きません。
(タイ人だけのライブでそれをやると、たぶん大乱闘になります)

タイにもロックフェスなどたくさんありますが、比較的穏やかです。

YONLAPA(ヨンラパ)

シューゲイザーとドリームポップを合わせたような「Last Trip」。

タイ チェンマイを拠点に活動するバンド「YONLAPA(ヨンラパ)」は、2018年に結成。2019年11月にリリースした「Let Me Go」で注目を浴び、それ以降発表される曲が常に注目浴びていてる、タイのシティポップ&インディーズ界でもっとも勢いがあるバンドです。

YONLAPAのポジション

タイでポップスよりのロックをやるバンドでは、人気・実力ともに一番のバンドだと思います。

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yonlapa タイ

 

今回のYONLAPAが来日ツアーをやるというのも納得の、タイシーンを代表するバンドです。

 

■YONLAPA JAPAN TOUR 2022

・8/26 (金) 大阪 SUNHALL w.DYGL

・9/1 (木) 東京 WWWX w.never young beach

対バンもDYGL(デイグロ)にネバヤンと、コロナ前の2019年にバンコクでライブをやったバンドなので、接点があるのでしょう。

 

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som tam club バンコク

 

KIKI(キキ)

KIKI(キキ)は2021年、タイ・バンコクで結成された3人組インディーポップバンド。

バンドメンバーはHelena、Boss、Nonの3人組で、BossとNonはタイのバンド、Somkiatのギタリストである。

KIKIはGym and Swim、FOLK9を擁するParinam Musicに所属し、これまでに1枚のEPと5枚のシングルをリリースしている。

KIKIのポジション

正直なところ昨年発表したKIKIのアルバムが日本のメディアにピックされていた際は、名前も知らないバンドでした。

拠点としているバンコクでもマイナーで、ライブができないコロナ禍で音源先行で一気には名前を上げたバンドです。ただここ半年はかなり精力的にライブを行っていて、最近かなり名前を目にするようになりました。

YONLAPA KIKI タイ

 

■KIKIの来日ライブ

・2022年9月20日(火)@大阪・心斎橋CONPASS
出演:KIKI / Pictured Resort

・2022年9月21日(水)@京都・UrBANGUILD
出演:KIKI / Sawa Angstrom

・2022年9月22日(木)@愛知・名古屋KDJAPON
出演:KIKI / えんぷてい

・2022年9月23日(金)~25日(日)@長野・松本
りんご音楽祭

・2022年9月26日(月)@東京・青山月見ル君想フ
出演:KIKI / Special Guest

タイの注目バンド・アーティスト

国際的な知名度でいうと「Phum Viphurit(プム・ヴィプリット)」が頭ひとつ抜けていて、2019年にサマソニに出演。現在はヨーロッパツアーに出ています。

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あとちょっと毛色が違いますが、バンコクの有名クラブ「STUDIO LAM」のオーナーにしてレコードコレクター兼DJであるマフトサイ主催の「THE PARADISE BANGKOK MOLAM INTERNATIONAL BAND」。

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この2アーティストは日本人の感覚としても受け入れやすいアーティストだと思います。

他インディーシーンのバンドのプレイリストを貼っておきますので、是非タイ音楽と触れ合ってみてください。